第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
「だいぶ集まってきたアル。」
神楽が手元にいっぱいになった
メモ帳を見ながら嬉しそうに呟いた。
流石良くも悪くも有名な高杉。
出どころは多く、すぐに情報は集まった。
奴が宇宙にいったことはおろか、
奴が宇宙でなにやら取引を行っていた
ことも分かった。
どうやら海賊から、何かを多額の金で
買ったらしい。
それが澪かどうかは分からないが、
話は見えてきた。
「これで、居場所さえ分かれば、
突撃できますね!」
新八もそう言って笑った。
鼻息荒いぞガキ。
万事屋のソファーに寝転がる。
最近は働き詰めで疲れた。
後ろでは、
神楽と新八があーだこーだと
話をしている。
若い子は元気でいいねーホント。
「あとはヅラを待つだけアル!…ん?」
その時、ピンポン、とチャイムが鳴る。
「もしかして桂さんかもしれません、
僕見てきます!」
新八がパタパタと玄関に走って行った。
少しして、玄関から新八の声が聞こえる。
「あ…貴方は……き、きららさん!?」
きらら?
どっかで聞いた名前だな。
えっと、誰だっけ。
つーか、ヅラじゃなかったのか。
「新八さん…、あの、坂田銀時さんは
いらっしゃいますか?」
「ーー俺に何か用か?」
呼ばれて気になった俺もリビングから顔を出す
玄関には新八とは別のメガネの女が見えた。
あ、思い出した。
確かアイツ、新八の文通相手だっけ。
「あの…この手紙を
お渡ししたくて参りました。」
女が持っているのは小さな紙切れだった。
手紙とは言えない、
四つ折りにしてあるだけの
折り紙サイズ小さな紙。
「俺は文通してねーぞ。」
俺がそう言うと、女は首を振った。
「すみません、手紙…というより、伝言です。
何か、緊急を要するような
走り書きでしたので、
すぐにでもと持って参りました。」
「きららさん。
それ、誰からのものなんですか?」
「あ、えっと…神崎澪さん、
という方からです。」
「あー澪さんですか。…って、
澪…さん、から?」