第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
「俺は仕事とかどうでもいいんですがねィ。
澪を一番隊に入れる
人位配置をするためには、
澪にゃあさっさとウチに
戻ってもらわなきゃいけねぇんでさァ。
というわけで澪を
最優先で行きやしょう。」
部下の沖田さんは
平然と澪さんを優先する。
「……………。」
「物事には優先順位が
あるんじゃなかったんですか?」
僕がおそるおそる聞くが、
土方さんは諦めたように
タバコの火を消す。
「仕方ねェ…ついでだからな。」
「よォし!
みんなで澪君を探すぞー!!」
近藤さんの掛け声で
真選組がおおーっと声を上げる。
士気は十分だ。
「っつーわけでお前らは引っ込んでろ。
こっからは俺達でやる。」
「は?おま、何言ってんの多串君。」
突然の土方さんの発言に
銀さんが立ち上がる。
僕もホコリを叩いて立ち上がった。
「ココ見つけたの俺達が先なんですけどォ。
アンタらこそ邪魔だから
引っ込んでくれない?」
「ンだとコラ。
山崎が先にココを見つけてる。
俺らのが先に決まってんだろ。」
「あ?ウチだって神楽がなぁ…」
そこまで行って、銀さんの口が止まる。
「そういや、アイツどこいった?」
神楽ちゃんは確か、
銀さんと一緒に小屋の中に
入っていったはずだ。
僕がいたはずの小屋の奥を見ると、
神楽ちゃんは、地下道の入り口でにやりと
微笑んでいた。
「澪を見つけるのはワタシネ。
九ちゃんの友達として
ワタシが一番乗りするアル。
お前らはずっとそこで喧嘩してろヨ。」
そう言って、手を振り、
神楽ちゃんは地下の階段を降りていく。
「あっテメェコラ!先行くんじゃねェ!」
「オイオイずりーぞ神楽!
ぱっつぁん行くぜ!」
銀さんと土方さんが
同時に走り出し、
その後ろから沖田さん、
近藤さんが走って行く。
「ちょ、銀さん待ってくださいよ!」
僕も慌てて後を追う。
澪さんを巡った僕達の戦いは
まだまだ続いていた。