第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
柳生家につくと、
真選組の黒服があちらこちらに見える。
そしてその中心には、
タバコの煙と、栗色の髪が見えた。
「「………あっ」」
同時に、こちらも声を上げて
相手を睨みつける。
「………あーぁ。」
まぁ、
こうなることは分かっていたのだけど。
「あれェ?多串君じゃん。元気?」
銀さんと神楽ちゃんが
ヅカヅカと柳生家の門をくぐり、
真っ直ぐ相手の方へと歩いていく。
反対に、真選組は立ってこちらを睨んでいる。
土方さんは血管が浮き出てるし
瞳孔開きっぱなし。
沖田さんは明らかにイラついた顔をしている。
あーあ。喧嘩するのかな。
「誰が多串だ!土方だっつってんだろーが。」
「なんだ、チャイナ娘じゃねーですかィ。
ガキはさっさと家に帰って
プリキュアでも見てなァ。」
「プリキュアなんてちゃっちいもん見ないネ
カードキャプターさくらのが面白いアル!」
「カードキャプターさくらより
リリカルなのはでさァ。」
「深夜と夕方を一緒にするんじゃねーヨ!」
バチバチ、火花が散る視線を
叩き割るように、
東城さんと近藤さんが入ってきた。
「まぁまぁ、落ち着いて。
そんなに睨み合っても、
澪は出てきませんよ。」
「そうだぞ総悟。
アニメよりもお妙さんのが可愛いぞ!」
「「………チッ」」
「「…………フン。」」
銀さんと土方さんが同時に舌打ちをし
沖田さんと神楽ちゃんが同時に鼻を鳴らして
距離を取る。
ホントに、仲がいいんだか悪いんだか。
距離をとった所で、東城さんが口を開いた。
「万事屋さん、若が勝手に
依頼してしまったようで。
ご迷惑をおかけし申し訳ありません。」
「そんなの関係ないアル。
九ちゃんはワタシの友達アル。
澪だって、友達アルヨ。」
東城さんが頭を下げたのに対し、
神楽ちゃんが言い切ると、
沖田さんが悪態をつく。
「友達だァ?澪が
こんなガキ相手にするかよヴァーカ」
その言葉にカチンと来たらしい神楽ちゃんが
むすりと頬を膨らませた。