第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
「九ちゃんどーしたアルか!?
澪、また風邪引いたアルか!!?」
「うわっ神楽ちゃん!!」
神楽ちゃんが割り込んできて、
電話をスピーカーモードにする。
部屋中に、九兵衛の声が響いた。
『ぐす、澪が、澪が…っ
どこにもいないんだ………ぐすっ
今警察が来てるけど…まだ何も
分からないらしくて……ひっく。』
「………最後にいた場所はどこだ。」
銀さんが間から入り込んでくる。
目が少しだけキリッと決まっている。
ほんの、少しだけ。
『柳生家の山の麓だと聞いた……ぐすっ
僕は、おじい様に止められていて
行けないんだ。探すにも、探せなくて…
ひっく、う、うっ……澪……っ。』
「九ちゃん、ワタシに任せるネ!
澪なんかちょちょいのチョイで
見つけてくるアル!!」
「そうですよ。
澪さん、馬鹿だから
その辺を走り回ってるだけですよ。
ね?銀さん。」
「……だな。」
『…ありがとう、皆。頼んだよ。ぐすっ』
九兵衛さんとの電話を切る。
「よし行くぞお前ら。」
銀さんが肩を回して玄関に向かう。
万事屋銀ちゃん、出発だ。
「おー!!」
神楽ちゃんの明るい声が、歌舞伎町に響いた。