第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
「なんだ、やっぱり分かってるじゃん。」
少年はへらりと笑った。
仮に俺が銀時の弟だとして、
「あのさ、じゃあ、なんで俺を………」
「ーーーッほら!」
「ーーーちょっ!話くらい聞けって!」
暇さえあれば詰め寄る少年の拳を
ギリギリのところで避けた。
その、拳は後ろにあった大木に突き刺さり、
木はバキバキと音を立てて折れる。
「…………うわぁ…スゴいね、君。
大工に向いてるよ。ははっ……。」
その瞬間、脳内に誰かがよぎった。
あれ、コイツ……もしかして…………。
「ーーふんっ、」
「ーーーーッねぇ、君さぁ、」
「ーーー何?」
「ーーーッ夜兎なの?」
蹴りを何度か避けながらそう言うと、
拳がピタリと止まる。
「……………そうだよ。」
にこりと笑う彼の髪は
とても綺麗なオレンジ。
その瞳は真っ青のサファイアカラー、
肌は透き通った白。
「………………。」
やっぱり、か。
なんだか…………さっきから似た顔が
チラつくんだよね。
「ーーーッま!そんな事、
どうでもいいでしょ?」
「ーーーーー、全然、良くない。」
俺は2、3歩距離をとって呟いた。
「…………俺、君とは戦えない。」
俺がそう言うと、
そいつの顔から笑顔が消えた。