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【銀魂】柳生家の忍者【男主 原作沿い】

第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)






「それでは、私はこれで…。」


保存をし終わったらしいたまさんは
俺にお辞儀をして、去っていこうとする。



「あ、待って。俺、送っていきますよ。」


「………何故でしょうか?
澪様の家は柳生家のお屋敷と
お聞きしております。
スナックお登勢とは全く別の方向かと。」


「……そうなんですが…。
最近ちょっと嫌な事件が起きてるから、
心配ですし。ほら、行きましょう。」


俺は無理矢理たまさんの手から
スーパーの袋を取る。


たまさんは首をかしげながら
俺の隣を歩きはじめた。





















「…それで、嫌な事件というのは?」


「昨夜から、誘拐事件が
多発してるんですよ。」


「誘拐……ですか。」


「ええ。それも何十人もの規模で、
老若男女問わず、場所もバラバラです。
おそらく組織絡みの犯行だと思います。」



「組織というと、攘夷志士とかでしょうか?」


「いや、奴等が人手を欲しがるのは
最もかと思いますが……。
一般人を誘拐してまで
人手を確保したいとは思えません。
原因は恐らく、天人かと。
………ま、ただの野生の勘です。」


はは、と笑ってみせるが、
たまさんはふと、真剣な表情を見せた。



「………案外、野生の勘というのは
当たっているものですよ。」


「へ?」


たまさんは何故か後ろを見る。

俺もそれに釣られて後ろを向いたが、
特に何も見当たらない。

ただの住宅街の屋根が並んでいるだけだ。




「……………?」



「あ、もうここで大丈夫です。
またお店に来てください。
銀時の弟様でしたら、
いつでもお待ちしておりますので。」



「……ああ、その……ありがとう。」



たまさんは俺から荷物を受け取って
スタスタと歩いていく。


たまさんの見ていた後ろをもう一度見るが、
やっぱり誰もいなかった。



「…………気の所為、かな。
今、誰か見てた気がしたのに。」


















「……………へぇ、あの吉原の救世主に
弟がいたなんてね。
面白そうじゃん、ね?阿伏兎?」


「何ですかぁ?隊長。
厄介事は巻き込まねぇでくださいよ。」



住宅街の隙間から
傘が目を光らせているのも知らずに。


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