第19章 トッシー編(原作沿い)
そして、ついに最終決戦。
カードバトルから始まった副長と新八の対決は
殴り合いにまで発展していた。
「いけェェエ!トシー!立てェエエ!」
「副長ォオオオ!!!」
リングの外では通選組のメンバーが
応援している。
副長はフラフラと立ち上がり、
新八に拳を振るう。
「………違う、あれは………。」
皆は副長だと呼ぶその人は
副長じゃなかった。
慣れていない構え方、
体を使いこなせていない拳、
眉の下がったその情けない顔。
「…………トッシー……だ…。」
トッシーはどんなに新八に殴られても、
絶対に拳を下ろさなかった。
倒れても、また立ち上がる。
そこには、1人の男としての
土方十四郎がいた。
「トッシー………っ」
彼は、このオタクだらけのくだらない大会に
本気で挑んでいるのが身にしみた。
それは相手が新八だからだろうか。
俺には分からない。
オタク同士の戦いが、そこにはあった。