第19章 トッシー編(原作沿い)
「…ババアがまた飲みに来いって
言ってたぜ。」
「あはは、お登勢さんといると
ついつい飲みすぎちゃうから、
その時はまた銀時を誘うよ。」
「あぁ?介抱させる気満々じゃねーか。」
「そりゃそうでしょ!
俺、銀時の事、一番信用してるもん。」
「………………ッ」
俺がそう言うと、銀時が俺の方を見た。
「…………ん?何?」
「………………お前、さぁ。」
銀時の方に顔を向けると、
銀時の真剣な瞳が俺を突き刺す。
「…………………うん。……何?」
頭に『?』しか浮かばない俺に対し、
銀時は何か言いたい事がある様子。
俺、何か変な事言ったかなぁ。
「…あんまりそうやって、
……人をその気にさせんじゃねーよ。
………馬鹿澪。」
「………へ?」
俺がその言葉の意味を理解する前に、
通選組がお通とゴールインした
実況の声と拍手がスピーカーから流れる。
「銀さん!何してるんですか!!
出番ですよ!!!」
「あーへいへい。今行くっての。」
銀時は頭をポリポリ掻きながら
ステージに上がってしまった。
「…………なんだったんだろ、今の。」
頭の中では銀時の台詞と
その様子がリピートされる。
『…あんまりそうやって、
……人をその気にさせんじゃねーよ。』
「うーーん…?」
………そういえば、銀時の顔、
ちょっと赤かったな。
「……もしかして、風邪?」
もしかして、介抱してもらってる時に、
うつしちゃったのかも。
後日、言葉の意味が全く
理解出来なかった澪は
銀時に市販の風邪薬を差し出すのだった。