第19章 トッシー編(原作沿い)
『2本目は〜魅力対決!!
それでは、通選組による愛の劇場
はじまりはじまり……。』
「よし、今のうちに……。」
対決の途中合間を縫って首輪を取る。
今はバーチャル世界で
お通を土方副長がオトす、という対決の最中。
ちなみに通選組は全員参加している。
その上、沖田隊長はナレーション。
裏に入ってしまっているから
俺の姿を見る事は出来ない。
「……よし、やっと取れた。
首輪って意外と取りにくいんだな。
もっと練習しなきゃ。」
忌々しい首輪を外してステージの
端っこに置くと
視界の片隅に法被が近寄ってくるのがみえた。
「…澪、お前、何してんだよ。
こんな所で。」
「…銀時こそ。
お通ファンだなんて初耳だよ?俺。」
「それはオメーもだろーが。」
銀時は気の抜けた返事をして
ステージを見た。
バーチャルの世界で、
副長がバーでお酒を飲んでいるのが見える。
「あ、そうだ。銀時。」
「………んだよ。」
「…この間、泊めてくれてありがとね。」
そう言うと、銀時は一瞬固まってから、
ああ、と思い出した。
結局、休みの日は全て
トッシー作戦に身を投じていたせいか
あの飲んだ夜以来、銀時には
会っていなかった。
今更ながらのお礼は
理解に時間がかかったようだ。