第19章 トッシー編(原作沿い)
『よ〜い……どん松五郎!!』
第1回戦の、ステージから
大江戸テレビまで走るという10km走は
お通ちゃんの掛け声で唐突に始まった。
ルールとしては、チームのうちの1人でも
上位4位に入ることが出来れば
決勝戦に持ち込めるというものだ。
「よし行くぞ通選組出発だァァア!!
皆!走れェエエエエ!!!」
「……仕方ねぇか。」
「…え?そんな、イキナリ走れって
言われても……。」
局長、副長、退が
オタク達に混ざって走り出した。
俺は今回の大会に勝つために、
大会関係者の情報を隠密隊の力を借りて
調べあげてある。
そして出場者のオタクに全員
こちらの手回しをしておいた。
副長が声をかければ、
オタク共は言う事を聞くはずだ。
予選さえ俺達が一位で通過してしまえば
そのまま優勝する事が出来る。
つまり、これはほぼ八百長試合と
言ってもいい。
……荒い手を使ってしまって
真正面から大会に向かっている銀時達には
少し、申し訳ない気持ちはある。
けど、副長を確実に助ける方法は
これしか思いつかなかったのだ。
仕方がない。
「澪、駕篭呼びやしたぜ。
行きやしょう。」
「………へ?駕籠?
沖田隊長、走らないんですか?」
「なんで走らなきゃなんねーんでさァ。
別にバレなきゃいいだろィ?」
沖田隊長は真顔で駕篭…もとい、
タクシーに乗り込む。
……まぁ、いいか。俺も観客要員だし。
「……………バレて副長に怒られても
知りませんからね。」
そう呟いて俺も車に乗り込んだ。