第19章 トッシー編(原作沿い)
「今日も江戸は平和だなぁ………」
退と副長がたまに外に二人で
出ていくようになって1週間くらい。
俺は今日非番で、
一人で江戸の街をブラブラしていた。
「あーー……なんかないかなぁ………。」
今日も暇だなぁ。
銀時の家にでも行こうかな。
この前泊めてもらったお礼を兼ねて
お菓子でも買って………。
そんなことを考えながら歩いていると、
何人かの人だかりを見つけた。
「………………ん?」
近寄ってみると、
お通ちゃんのポスターがたくさん貼ってある。
何やらお通ちゃんのイベントみたいだ。
しかし、イベントは終わっていたようで、
店の前には息の荒いオタク達がたむろしていた
「………うっわぁ……こんなかに
新八もいるのかぁ。」
俺がドン引きしながら見ていると、
オタクの一人が俺の方を見て、
近寄ってきた。
「も、も、もしかして…
………澪子ちゃん?」
「……………は?」
「や、やっぱり澪子ちゃんだぁ!!
最近見かけないから、何処に行ったのか
心配だったんだよぉ?……フヘヘッ」
俺に近寄ってきたオタクは
太っていて眼鏡をかけている
まさに自分はオタクです、と
言っているような格好だ。
イベントの後で興奮しているのか、
汗だくで、何故かイカのような臭いがする。
なんだろう。物凄く不快だ。
「す、すみません……人違いです。」
「……あ!待ってよぉ!」
逃げようとすると、
息の荒いオタクが俺の手を握って俺を止めた。
汗でベタベタした手が俺の手に
まとわりついて気持ち悪い。
「………ボクの事覚えてないのぉ?
君にプリキュアの衣装を作って
あげたじゃないかぁ……グフッ」
「あぁ………そういえば
そんな事もあったような……。」
トッシーが新八と喧嘩した
テレビ番組の事を思い出す。
確か、あの時着てたプリキュアの服は
この人が作ったんだった。
俺の大ファンだって
言っていたような気がする。
………超絶にお断りだけど。
「あ、今トッシーも来てるんだよぉ?
グフッ……フヒヒッ……澪子ちゃんも
一緒に来るゥ?」
「…………トッシーが?」