第19章 トッシー編(原作沿い)
「はぁあ…………。」
「なんでィ。今日は元気ねェじゃねーか。
どうした?恋か?」
「恋じゃないです………。」
退に貰った薬を飲んだ事で、
多少吐き気は改善したものの、
頭痛と体が重いのは残っている。
重い足を引きずって局長室に向かう途中、
沖田隊長に話し掛けられた。
「うっわ、ひでぇ顔でさァ。」
「……………………。」
顔を向けると、沖田隊長が嫌そうな顔をする。
近寄るな、と言わんばかりに
一、二歩下がる隊長の行動は嫌味でしかない。
「………ただの二日酔いです……。」
「なんだ、酒か。」
「なんだって……なんですか……。」
今、俺が二日酔いに苦しんでいるのを見て
なんだとしか言わない沖田隊長はやっぱり
ドSだ。
くそう。写真でゆすってきたり、
名前呼ばないと切腹……じゃなかった、
接吻してきたり、真選組で2番目に
危険な人物だ。
ちなみに1番目はトッシーである。
「こういう時、酒を飲むと
治るって聞くぜ。飲んでみろよ。」
「沖田隊長………いくら俺が馬鹿だからって
それくらいは嘘だと分かります…。」
「チッ…洗いざらい吐かせてやろうと
思ったのに。」
「…………間違いなく…別の物を
吐き出しそうですけど。」
「なんでィ、それを写真に収めて、
『真面目な局長補佐の素顔とは』
っていう題名で、フ●イデーに
載せるに決まってんだろ。」
「……うぅ…ドSだ………人の心を
持ち合わせてない……。」
真顔で説明する沖田隊長から目を逸らす。
今のところ吐き気は治まってきているものの
体調は悪い。
今日の目標は今日〆の仕事を提出する事だ。
最低限の仕事量で頑張ろう……。
明日の負担が重くなるが、
今日無理矢理やって間違えたら大変だ。
仕事は明日頑張ろう。
「…とにかく……。
その手には乗りませんからね。
あと、沖田隊長も仕事してください……。」
そう言い残して沖田隊長と別れた。
「………局長、今日も宜しくお願いします…。」
「澪君……大丈夫か?
顔が青いぞ…。まるでドラゴンボールの…」
「それは緑ですって…。」
また、ため息が漏れる。
「………はぁ。」
俺は、頭痛を忘れるように書類を開いた。