第19章 トッシー編(原作沿い)
(澪視点)
「んぁ?………あさ……朝だ!!」
布団から思い切り起き上がる。
あれ、柳生家の布団じゃない。
「ここ、どこ?おれ、だれ!?」
訳もわからず辺りを見渡す。
知らない部屋に知らない布団で
知らない服を着ている。
あれ!?あれ!!!?
ここ、マジで何処!?
「ーーーー痛っ…」
頭に激痛が走る。体も重く、吐き気もする。
あれ、昨日は確か、
銀時達とスナックお登勢で飲んで………
そこから何の記憶もない。
「……朝からギャンギャンうるせーよ……
発情期の犬かテメー………」
ちらりと隣を見ると、
銀時が寝返りを打った。
あ、ここ、もしかして、銀時の家?
布団から這い出ると、
万事屋のリビングが見える。
やっぱり銀時の家だった。
俺、酔いつぶれちゃって、
帰れないくらい飲んじゃったのかな。
「…昨日…迷惑かけちゃったかな……」
ふと時計を見ると、朝7:20だった。
「……しちじ……にじゅっぷん……?」
えっと、柳生家よりは銀時の家の方が
近いよな、うん。
で、今日は仕事で、7:50には朝礼の場所に
いなきゃいけないから、逆算すると………。
「ち、ち、ち、遅刻だああああっ!!」
この時間じゃ、
走ってギリギリ間に合うか否かだ。
下手したら間に合わないぞ。
もし遅刻したら切腹だ。
いやだ、こんな所で死にたくない!!
ソファーにかけてあった隊服に急いで着替え、
俺は銀時に泊めてもらったお礼も言わず
家を飛び出した。
「ゲッホ、げほ、げほ………っ」
「澪大丈夫?落ち着いて。
まだ朝礼には3分あるから。」
「げほ、おれ、まにあった、の……?」
「う、うん……。
まだ局長は来てないからセーフ。
ほら、息整えて。」
俺が朝礼の部屋に滑り込むと、
退が隣に呼んでくれた。
退が咳き込む俺に
優しく背中をさすってくれる。
少しだけ落ち着いた。
「ぜー………はー………ゲホッ…しぬ。」
「澪が遅刻なんて珍しいじゃん。
どうしたの?」
退が心配そうに俺の顔をのぞき込む。
俺は俯いたまま退に喋った。