第19章 トッシー編(原作沿い)
新八がツッコむ中、澪は
俺の問いに答えた。
「おにの…副長………殴った………。」
「え、土方さんを!?」
「アンタ結構男気アルジャネーカ。
モット草食系カト思ッタ。」
確かに意外だった。
澪と多串君って
見廻り一緒にしてるの見たし、
仲良しかよ畜生、なんて思ってた。
………まぁ俺としては
澪を狙ってる多串君を
殴ってもらえて万々歳だ。
「男気なんてない………。
ただ、ほんとに……あたまに血がのぼって…」
澪は涙声でそう言うと、
ババアが二本目のタバコを吸う。
「なんで頭に血が上ったんだい。
ちゃんと初めから説明しな。」
ババアのその言葉に、
澪は今朝の事を詳しく話し始めた。
「…ぐすっ…だから…俺
……思わず…殴っちゃって……ひっく……」
澪が涙ながらに俺達に
打ち明けたその悩みは、
「いやそれは………。」
「どう考えても……」
「アンタじゃなくてその副長さんが
悪いんじゃないかい?」
あきらかに相手の方が悪い事案だった。
「え、そうなの……?」
「え、じゃないですよ!
こんなのあきらかに澪さんが
悩む事じゃないですって。」
「トッシーが皆に恋人同士だって
嘘をばらまいて、
それをお前が怒って訂正して、
お前を見たトッシーがおったてて、
思わず殴ったんだろ?
何一つ間違ってねぇと思うぜ俺は。」
「そっか……銀時が言うなら、
そうなのかな。」
澪がまたカウンターに突っ伏して
んー、と唸っている。
「銀ちゃんおったてるって何アルか。」
「あはは、神楽ちゃん。
ご飯そろそろ無いんじゃない?
おかわりしたらどうかな?」
「そうアルネ。たま!
大盛りおかわりアル!」
「かしこまりました、神楽様。」
余計な単語を断ち切るように
新八が切り出して回避する。
新八が元凶の俺を睨むが、
無視して、先程頼んだ焼酎のお湯割りを飲んだ