第19章 トッシー編(原作沿い)
「大丈夫だって。こいつ税金泥棒だから。」
澪の懐に手を突っ込んで
財布を取り出す。
「ひーふーみー……
げ、5万持ってんじゃん。
神楽。腹いっぱい食っていいぞ。」
「あいあいさー!」
「あんたら澪さんの金で
食うつもりかよオイイイイ!!」
新八がツッコむが、俺は耳を塞いで
澪の隣に座った。
「ほら、5万ありゃ俺達3人もいけんだろ。」
カウンターに5万を置くと、
ババアが煙草をふかしてため息をついた。
「………仕方ないねェ。キャサリン。
用意してやんな。」
「ヒャッホーイ!
ほら新八も座るネ!」
「……え?ああ、僕もなの?」
澪の反対側には、新八と神楽が座る。
それを見てキャサリンが嘲笑った。
「ケッ…弟ノ金デ食ウナンテ、
兄貴トシテハ最低ダナ、オ前ラ。」
「だからコイツは弟じゃねぇ!
ただの腐れ縁だっつってんだろ。」
カウンターにハイボールが置かれた。
俺がハイボールを口に含むと、
お登勢さんが澪を見て呟いた。
「そうなのかい?たまがそう言ってたから
そうだと思ったじゃないか。
ま、アンタの弟にしては良い子だなとは
思ってたけどねェ。」
なんだよそれ。
いかにも俺とは全く違うみてぇな
言い方じゃねーか。
言っとくが俺はコイツほど
馬鹿じゃねぇからな!!
コイツよりは絶対マシだから!!
「お登勢さぁん…俺、ちゃんと全部飲んだよ。
ほれ見て、空っぽ!いえーい。」
空のグラスをババアに見せる。
ババアがにやりと笑った。
「やればできるじゃないか。
ほら、もう一杯飲みな。」
「ありがとぉーお登勢さん!えへへ、
俺、褒められちゃった!」
また満タンに注がれた酒を片手に
澪はにこりと笑う。
顔は赤らんでいて、正気じゃないけれど。
「オイ澪。大丈夫かー?
よく見ろ。ただのババアだぞー。
………ってぇ!!」