第19章 トッシー編(原作沿い)
この女の子の質問に答えなければ、
銀時の事は教えてもらえないらしい。
友達、他人、兄弟………か。
「…えっとぉ………
友達っていう間柄じゃないし……
他人でもないし……あーーー」
本当は違うけど、
しっくりくるのはこれしかないかな………。
「えっと俺…神崎 澪で、
銀時とは…その、兄弟っぽい感じですかね」
「かしこまりました。
顔認証……インプットしておきます……。」
ピピピ、と電子音がして、
女の子は俺の顔をジッと見ている。
「え、あの……何ですか?」
「顔認証完了。登録しました。」
「…………え?あ……えっと、はい。
登録されました。」
「名前、神崎澪。
性別、男。銀時様の弟様…身長は………。」
「………ん?」
俺が首を傾げるが
女の子は前を見たまま小声で喋っている。
会話が成立していない。
顔認証とか、ピピピとか、
よくわかんない。…どういうこと……?
「あ、あのぉ………。」
俺がおそるおそる近づいて話しかけると、
女の子は俺に目を向けた。
「……データ保存完了。
……澪様。宜しければ、お店の中で
銀時様をお待ちになられますか?」
女の子が店の扉を開けてくれる。
俺は断りきれず、中に入った。