第19章 トッシー編(原作沿い)
(土方視点)
「…………ってぇ…。」
「すみませんでした。
頭に血が上ってしまって……。」
1時間ほど記憶がなく、
気付いたら澪にぶん殴られていた。
現在、俺は医務室で、
澪の介抱を受けている。
「頬に湿布貼りますね。」
「あ、あぁ………。」
澪は俺の腫れた頬に
処置を行っていく。
「…………つめてェ。」
「湿布ですから。」
澪の手が、間接的に俺の頬に触れた。
俺と澪の距離は
30cmあるかないか、だ。
「…………次、額の擦り傷。消毒します。」
「………あぁ。」
「………………………。」
じんわりと傷に消毒液が染みる。
座っている俺の頭の上に立つ
澪の顔を覗き見ると、
ふぅ、と1つため息が漏れた。
「……………澪。」
「はい。」
絆創膏を貼る澪に声をかける。
澪は至極冷静に答えた。
「……俺は……奴はお前に何をしたんだ…?」
澪が感情を露わにして
人を……俺を殴りつけた。
前から近藤さんや山崎に
叱責している姿は見かけたが、
手を出してる所は見たことが無かった。
そんな澪が手を出すなんて……。
たった小1時間で一体奴は何をしたんだろう。
「トッシーは…難しい人です。」
「………。」
「彼は副長だけど、副長じゃないから……。
どう接していいのか分からない……。」
澪は応急処置用の器具を
片付けながら呟いた。
「…………それだけです。
暴力を振るって申し訳ありませんでした。」
澪は俯いたまま、医務室を
出ていった。
置いてかれた俺は、澪が
触れていた頬に手を当てる。
「………………。」
奴との決着……。
つけなきゃいけねぇのかもな……。