第3章 過去編
それから、どれ位の時間が経っただろうか。
「…………う、」
太陽が、俺を見下ろす中、
水がサラサラ流れる音に目を覚ますと、
俺は渓流の岩肌に引っかかり
川に体を預けていた。
「……………ん、んぐ、ぅ、」
岩肌に捕まりながら体を起き上がらせ、
何時間かぶりに、川から出た。
多大なる疲労感と頭痛、空腹感が俺を襲ったが
特に怪我もなく、無事だったようだ。
「生き……てる。」
刀も捨て、仲間も助けられない俺が、
何故、生きている。
死んでもいいと思っていたのに。
「…………。」
俺は無気力に、山の中を歩き始めた。
山の中は戦争中だってのに
平和そのものだった。
子鳥のさえずりが聞こえ、
木々がそよ風に揺れる音がする。
俺の気持ちがどん底でなければ、
良い気分での散歩になっただろう。
数十分歩いた所で、足を止めた。
「…………もう、ダメ。限界。」
ついに俺の足が限界を超え、
地面にそのまま倒れ込む。
すぐに瞼が重くなり、俺は意識を失った………。
「ん?」
最後の一瞬、何かが俺の顔に
覆いかぶさって………………