第18章 柳生九兵衛生誕祭編(原作沿い)
「私は…若の友人達を侮辱した連中に
出て行けと言ったのですよ。」
東城が先程の男を投げ飛ばした。
あーあ…東城の奴。俺は知らないぞ。
「貴様ァァ!!
誕生日を祝いに来てやった客に対して
なんだその言い草は!!」
「柳生一門とて捨て置けぬぞ今の言葉!!」
参加者達がざわめき立つ。
皆立ち上がり、東城を睨みつけている。
「お客?こちらから来てくれと
頼んだ覚えはありませんがね。」
それに対して東城は全く動じていなかった。
「私がこの生誕祭にお呼びしたのは
この若のご友人方だけです。」
「他の者はどこから甘い臭いを
かぎつけてきたのか…。
毎年毎年頼みもせぬのにぞろぞろと
ご苦労様ですな。」
「…しかし生憎、若はお父上とは違い
金の縁より魂の縁を大切にするお方。
貴殿らが望むような関係は築けまいよ。」
東城が最後にふわりと微笑む。
一瞬だけ、俺の方を見た。
「……お帰りはこちらです。
どうぞ、お引き取り下さい。」
東城の視線に合わせて、
俺は客間の襖を開けた。