第18章 柳生九兵衛生誕祭編(原作沿い)
『パーティにお集まりの皆様。
長らくお待たせいたしました。
いよいよ主役の登場です。』
お、そろそろそんな時間か。
……若が客間の入り口から出てくるんだったな
「いいから若、早くお入りください。」
「押すなバカ者。一体何があるというんだ。」
若が客間の障子を開ける。
「!」
「「「「九兵衛さん、
誕生日おめでとう!!」」」」
若が部屋に入ると、参加者達が立ち上がり
クラッカーをならす。
「こ……これは」
若が驚いて固まる中、
お誕生日の歌の合唱が始まる。
「…………澪?」
若は目をぱちくりして俺を見る。
「若、お誕生日おめでとう。」
俺が微笑むと若はまた参加者に
視線を戻した。
参加者は誕生日の歌を歌い始める。
うわべでしかない声が客間に共鳴した。
しかし歌の途中で物凄い声が聞こえてくる。
「ハ"ピバス"デイ"ツ"ゥ"ユ"ーーーー!!!」
「ーーっ!?」
思わず耳を抑えて、歌っている者を探す。
物凄い声だ。しかも無駄に声量が大きい。
「ハ"ーピバース"デイ"ディ"ア"九"兵"衛"ー!」
まさか……新八?
拳を振り上げて気持ち良く歌っているのに
聞こえてくるのは雑音、いや爆音だ。
「バーピバーズデイドゥーーユ"ーーー!!」
歌が終わる頃には新八以外の人間は
皆、耳を塞ぎ歌うどころでは無くなっていた。
「………………うぅ、耳が…………。」
まだ耳鳴りがする頭を必死に働かせる。
何がともあれ大御所は暇ではない。
このままプログラムが進むはずだ。