第18章 柳生九兵衛生誕祭編(原作沿い)
当日の朝。
早めに起きてしまった俺は
なんだか落ちつかなくて、
身支度をして自室を出た。
客間に行くと、既に東城が
会場を見回していた。
大体の事は昨日やったから、
あと用意していないのは料理と花、
それから客と主役を呼ぶことくらいだろうか。
「おはよう東城。」
「おはようございます。」
東城はにこりと微笑む。
東城も眠れなかったのだろうか。
いつもの糸目が若干見開いているように見える
「澪、
先日渡した台本は暗記しましたか?」
「うん。勿論。
今日はよろしくね、東城。」
相変わらず毎回台本と台詞をきっかり
決めてくるのが東城らしい。
「あ、そうだ。銀時達の事だけど…。」
「ああ、若のご友人ですか。
……どうかしましたか?」
「アイツら…その…庶民だからさ、
一応招待状には忠告しといたけど、
生誕祭がどういうものか、
ちゃんと分かってないと思うんだ。
…もし来たら、東城の方で
念を押しといてくれる?」
「分かりました。」
東城が頷いたのを見て少し安心する。
アイツらの事だ。もしかしたら
よく読んでないかもしれないし、
長谷川さんに至っては肌寒い日の
暖まる材料として使われているかもしれない。
念には念を入れなきゃね。
ふと時計をみる。………朝7:00だ。
若の起床時間だな。
「それじゃ、東城。俺、若を見てくるから。」
「ええ、お願いします。」
東城と別れて客間を出る。
さて、今日は気合いを入れないとな。
いつもの休日とは違う緊張感が
俺の中に流れた。