第3章 過去編
その時、全身に絶望が駆け巡った。
持っていた刀がカランと音をたてて落ちる。
「………………………。」
「さぁどうする?」
俺が黙っていると、天人は嘲笑うように
聞いてきた。
ジリジリと近付いてくる天人達。
俺の心に絶望という矢が何本も突き刺さる。
でも、その心はもう空っぽだ。
「………皆が……いない、世界に、
俺の…生きる場所は…無い。」
落とされた教科書を拾う。
ごめん、先生。
俺、先生の分まで生きるって
誓ったのに……………。
教科書を俺の懐にしまう。
俺の血がじんわりと染みてしまうが仕方ない。
これは、天国にいる先生の
冥土の土産にでも持っていこう。
「お前らに………殺されるくらいなら、
………自分で死ぬよ。」
俺は、後ろに身を預け、崖へと身を投げた。
天人達が何かを叫んでいたが、
そんなの知るか。
もうどうにでもなってしまえ。
今なら、死んでもいい。そう思った。