第17章 呼び名編
(沖田視点)
「澪、おはようでさァ。」
「おはようございます…おき…………。」
「聞こえねェな?」
「………そ………総悟………。」
「……やれば出来るじゃねーかィ。」
次の日の朝、澪に話しかける。
澪は少し口詰まりなら
俺の名前を呼んだ。
その姿に口角が上がる。
「今日も仕事みっちり?」
「はい。た………総悟、も、
サボってないで……仕事してくださいね。」
「へいへい。分かってやさァ。」
なんかぎこちないのは見逃してやるか。
澪は何でこんなことに…と
ブツブツ文句を垂れている様子を見ると、
まだ俺の気持ちには気付いていないらしい。
「こりゃあとんだ鈍感だ。」
…キスする理由なんて
一つしかねぇだろう。
だが、その理由はきっと
まだ言うべきじゃない。
いや…むしろ。
「いつか…アンタから言わせてやりやさァ。」