第17章 呼び名編
「お、お、おきた、たいちょ……!?」
縁側に押し倒される形となり、
慌てて俺は沖田隊長を見上げた。
「アンタは……俺の言う通りにしてれば
いいんでさァ。」
瞬間、暖かいものが唇を触れる。
「んんっ………!?」
目を開けると沖田隊長が俺の目の前にいて、
接吻されている事に気付く。
「んん、ふっ………ん……ッ」
逃げることもできず、そのまま耐えていると、
沖田隊長の舌が入ってきた。
「…………!?」
思わず、入ってきた舌をがぶりと噛んだ。
直後、やっと沖田隊長の顔が離れる。
「ってェ………噛むなんて卑怯でさァ。」
「そ、そ、そっちこそ…!卑怯っていうか、
何やってんですか…!こんな、真っ昼間に…」
口を抑える沖田隊長から、少し後ずさりして
距離を取る。
な、な、何考えてんだこの人!!
外見は完璧かもしれないけど、
こんな男同士で!職場の部下に!
真っ昼間にキス!?
そんな痴態、可愛い王子様なんて程遠い。
「………でもこれで、
ザキより先駆けしやした。」
「なっ……!?」
「ほら、これでいいだろィ?
じゃ、呼んでくだせぇ。」
「た、た、隊長……あ、あの…俺は……ッ!」
「チッ…強情でさァ。
呼ばねーならもっかいしちまうぜ。」
「ちょ、やめ………ッ」
「……ククッ……次噛んだらお仕置きでさァ。」
「んん…………ッ」
結局また詰め寄られて接吻される
俺に拒否権はなく、条件を飲むしか
俺の逃げられる道はなかった。