第3章 過去編
「はぁ…はぁ………」
「そっちに行ったぞ、追え!!」
「……………ッ、はぁ、はぁ」
今でも覚えてる。
逃げて、逃げて逃げて逃げて。
馬鹿みたいに走って走り抜けた事。
先回りされても、そいつらを叩き斬って逃げた
もう、帰路なんてとうに逸れていて、
ここが何処かも分からなかった。
それでも、俺は走り続けなきゃいけなかった。
この図案を届けるまでは。
でも、敵は何人もいて、
足は斬られなかったものの、
何度か奴等の刀を避けきれず、
俺の体からは血が流れ、その血がまた
俺を追い詰めていった。
何時間逃げた所だろうか。
俺は、最後に崖に追い詰められた。
絶対絶命、というやつだ。
「もう逃げられないぞ。」
「大人しく堪忍しろ。」
「残りはお前1人だからな。」
「………はぁ、はぁ……ひとり……?」
額に血が滲む。回らない頭で
俺は必死に言葉を拾った。
「おう。みんな、もうアッチの世界に
行っちまったんじゃねぇか?」
そんな、銀時達が…やられた?