第3章 過去編
(澪視点)
「あの戦争、それが全ての始まりだった」
澪が口を開く。
『戦争』その言葉だけで、
急に、重苦しい雰囲気になる。
ーーーーー……………
敵の陣地に忍び込んで、今度の戦の策略図案を
盗むつもりだった。
もしくは、その作戦会議に聞き耳を立てて、
俺達攘夷志士に有利な情報が手に入ればと
思っていた。
それは紛れもなく小太郎が試案して、
俺が立候補したことだ。
………けど、その隠密は失敗した。
ギリギリ、今度の作戦の図案を取った
その瞬間。
「誰だ!そこにいるのは!」
「ーーーー!」
だから、その図案を懐に入れて、
なんとか、この図案を皆に届けたくて、
逃げ出した。