第16章 ドライバー編(原作沿い)
「様々な意見を取り入れて
これに決定した。
明日からこの隊で行くから
皆それぞれ準備をしておくように。
ちなみに、これ以上の異論は認めない。
以上、解散。」
隊士達の意見をいくつか取り入れて
人員配置をもう1度作り直した。
さてと、今日も仕事頑張るか。と
張り切る。
そう、俺は明日から真選組局長だ。
気を引き締めなくては。
腹を括る。
そこに退が後ろから話しかけてくる。
「うんうん、やっぱりトップは
タメ口じゃないと締まらないよね!」
「…そうなの?単なる語尾の問題じゃん。」
今日は退に言われて、
敬語を取って喋った。
経歴だけで言えば先輩達ばかりの中で
タメ口を使うのは気が引けたが
その先輩の退が言うのだから仕方ない。
「ちょっとずつ信頼しようって言う話も
隊士から出てきてるし、良い感じだよ!
さ、明日からが本番だね頑張ろう!
神崎局長!」
「…やめてよ。そんなガラじゃない。」
「へへっごめんごめん。…あ、待ってよ!」
俺を茶化す退を無視して歩き出す。
明日から退は俺の部下だ。
今まで同僚だったのに、なんだか慣れないな。
「退は…」
「ん?」
「退は、俺の事澪って呼んでよ。
俺は退の事、部下じゃなくて
…友達だと思ってるから。」
そう言うと、退は照れくさそうに笑った。
「ほ、ホント?…あ、ありがとう。」
俺と若も…
従者と主君になった最初は
こんな感じだったな。
なんだか認めたくないような、
恥ずかしいような、不思議な感じ。
…俺みたいに、若の思いに気付かず
辞表を出させないように
ちゃんと退には俺の気持ちを
なるべく伝えておいたほうが
いいのかもしれない。
それは、他の部下も同じか。
退の言った通り、俺の本心を
伝える事って意外と大事なのかもしれない。
「…退。今日も書類
手伝ってもらっていいかな。」
「勿論だよ澪。
俺、字下手だけど頑張るよ。」
「はは、すぐ退は間違えるもんね。
修正ばっかだからすぐ分かる。」
「うう…それを言われると辛い…。」
「でも…いつも助かってるよ。
ありがとう。」
「………!!」
「……今日も頑張ろうね、退。」