第16章 ドライバー編(原作沿い)
「神崎さん、あの…人員配置の事
なんですけど…ここの隊士がちょっと
偏りすぎてるなと思って…。」
「ああ、なるほど。
それじゃあ………。」
「神崎さん、ここのハンコって
神崎さんでもいいっすか?
それとも近藤局長のハンコ?」
「ああ、確認します。
そこに置いといてください。」
「神崎さーん、
この書類って出来上がってる?
今から勘定方に行くから、ついでに出すぜ。」
「ああ、ありがとうございます。
えっと…それは…これですね。
お願いします。」
「うぃーっす。」
次から次へと隊士の用件を片付けて行く。
頭の中では複数の用件が同時進行している。
忘れない様にメモを書くものの、
そのメモも溜まりに溜まって
分からなくなってしまうくらいだ。
やっと全ての用件が片付いた頃には
日が暮れていた。
「…はぁ。今日も1日終わった……。」
「…………………。」
そこに斉藤隊長がやってきて、
お茶を机の上に置く。
「あ、ありがとう、斉藤隊長……。」
お茶を頂こうと起き上がって、
疲れた顔なりに笑うと、
そそくさに逃げていってしまった。
相変わらずコミュニケーションが
取れない。
「あー…美味しい……和む。」
目の前に広がるやってもやっても
なくならない書類の山を見ないようにして
ごくりと熱いお茶を口に含んだ。