第16章 ドライバー編(原作沿い)
局長をシバき続け、
1ヶ月くらいたった、明くる日の朝。
「…あ、退。おはよう。
…あの、今日何かあったの?
なんか、みんな忙しそうだけど……。」
「あぁ、澪。ちょっと……うん。
大変な事になっちゃって…。」
「…へ?」
今日は朝から屯所内が騒がしく、
がやがやと隊士が
行ったり来たりしている。
ただ、俺が話しかけられるのは
退とトップ3くらいだ。斉藤隊長は
話しかけてもまともに返ってこないし。
それにしても副長や局長の姿が見えない。
いったいどこに行ったんだろう。
もう朝礼の時間はとっくに
すぎているというのに。
やっとつかまえた退も忙しそうだ。
「実は…副長と沖田隊長が…ね。うん。
その…厄介な事に…」
「厄介な事?…もしかして、奇襲とか!?」
「…ある意味奇襲なんだけど…その、
相手は攘夷志士じゃない。」
「…………よく分からないよ。どういう事?」
「…見た方が早いかな。副長の自室に2人とも
いるからちょっと覗きに行こう。」
訳の分からぬまま退に連れられる。
副長の部屋につくと、既に何人かの隊士が
こっそり覗いていた。
「あ、すみません。ちょっと見せてください」
退の後に続き俺も部屋を覗く。
………そこには、
パソコンに向かう
大きなドライバーが2本見えた。
「……………………ごめん、退。あれ何?」
「え?副長と沖田隊長。」
「…………なんでああなったの?」
「起きたらアレだったらしいよ。
局長も朝から行方不明でいないしさ…」
「………………………。」
全く状況が掴めないが、
とりあえず大変な事になっているらしい。
副長がドライバーで局長が不在だなんて
隊士達もどうしたらいいか分からないらしい。
泣き言を言ったり二人の姿に涙する者も多い。
「俺、局長探してくるよ。」
「マジ?局長もドライバーに
されてるんじゃないかって噂もあるから
皆怖くて探しに行ってないんだけど…」
「ドライバーだとしても、
こんな状態じゃ真選組は崩壊しちゃうよ。
それに噂が本当かどうかは分からないし。」
後は任せた、と退に言い残して屯所を出る。
オレンジの髪の彼がついてくるのは
いつもの事だ。
「とりあえず、局長が1番いそうな場所に
行ってみるか。」