第16章 ドライバー編(原作沿い)
とりあえず副長に回す仕事は
なるべく少なくするため、
俺が局長の仕事の大半をこなしている。
その一部を局長に回しているのだが、
それすら中々手につかない様子だ。
「でも、近藤さんも変でさァ。
今まで土方さんにストーカー止められても
行ってたのに、部下が澪に
変わっただけでなんで急に
行けなくなっちまったんですかィ?」
「そ、それは……その。」
局長が口ごもる。
それにはある秘密があるのだ。
俺一人では局長を抑えるのは難しい。
俺には有力な協力者がいるのだ。
「神崎、いるか?入るぞ。」
そこに土方副長が入ってくる。
「あ、副長。」
「悪いが…こっちに変な請求書来てねぇか?」
ああ、それならさっき沖田隊長から
受け取ったものがある。
俺が副長に請求書を差し出すと同時に
後ろで何かが走り去るのが見えた。
「隙アリだぁぁああああ!!!」
「あ、オイ近藤さん!」
「逃げやしたね、ありゃ。」
「………はぁ。」
障子を蹴倒して
靴下のまま庭を走って屯所を
出ようとする局長にイライラがこみ上げる。
「斉藤隊長?いますよね?
いつものお願いします。
今回は軽めでいいですよ、
仕事全然終わってないんで。」
そう言うと、後ろの障子がパタンと閉まる。
よし、これで局長は確保だ。
「え…終兄さん?」
「いたのか?アイツ。」
「はい。ちょっと密約結んでて、
手伝ってもらってるんです。」
「ギャアアアアアア!しまる!ちょ!マジで!
やめてくれえええ!!」
そう言うと同時に、
局長の悲鳴が聞こえる。
どうやら捕まえれたようだ。
「密約ってなんですかィ?」
「えっと…なんか、
俺、斉藤隊長に気に入られたみたいで、
1ヶ月前から家まで付いてくるんですが。」
その言葉に副長が目を見開く。
「ハァ!!?い、1ヶ月!?
それって…今もか?」
「へ?…今もですよ。」
その言葉に副長が冷や汗をかく。
なんで斉藤隊長の事で副長がビビるんだろう。
「……いや、悪い。なんでもない。
続けてくれ。」
「は、はぁ…。それで、
えっと、ある日に意を決して
『それ、犯罪ですよ』って
教えてあげたんです。そしたら斉藤隊長、
すっごい慌てて半泣きになっちゃって。」
「……………。」