第14章 真選組厠編(原作沿い)
「聞きましたか副長!!
派遣忍者の彼にこんな風に思われていて
恥ずかしくないんですか!!
『あー真選組は本当に全員チンピラだし
マジで厠も人も最悪だァ。
早くこんな職場辞めてェ~
これだったら攘夷志士の厠の方がマシだぁ~』
とか思われているんですよ!!」
「そんな事考えてたのかテメェ。」
「副長…思ってません。本当に。
刀向けないでください。」
一応否定するが、
また逆戻りになる嫌な予感しかしない。
伊東の反乱の件で少しは処遇改善したと
思ったのに…
「いいですか!彼の心を変えるためにも
厠革命は必要なのです!!」
「叩き斬った方が早いと思うがな。」
「…………はぁ。」
もうどうにでもなれ。
知るか、真選組の厠なんて。
「副長、分かってくれましたか。
今のままでは真選組は
タマ菌まみれなのです。
これを打開するにはセンサー式の
手洗いを導入するしかありません。」
その後も隈無さんの説得は続いたが
副長の心は揺らがなかった。
「てめーは考えすぎなんだよ。
菌なんか気にしてたら生活なんてできねーよ」
そう言って副長は部屋を出ていく。
「はぁ…」
どうやら説得は失敗に終わったらしい。
俺ももう自室で仕事しよう。
帰り際に副長に叩き斬られるかもしれないけど
「…じゃ、俺も仕事してきます。」
隣で座っている沖田隊長にそう言って、
立ち上がる。すると、前方から
「副長ォォ!!」
と声がする。
障子の隙間から見ると退がいた。
「むこうで焼き芋焼いてんですが、
副長も一緒に食べませんか?」
焼き芋……!?おま、俺の集めた落ち葉で
そんな事してたのか…。
そう思っていると、
「うがァァァアアア!!」
「おぼしっ!!」
副長が突然退を思い切り蹴り
退は飛んでいく。
「あ、焼き芋勿体無い……。」
俺が縁側に悲しく落ちた焼き芋を
拾おうとすると
副長に止められる。
「ま、待て!!神崎!!
それに触んじゃねぇ!! 」
「……なんでですか?」
「いいから触るな!!」
「………は、はい。」
副長に物凄い血相で怒られて
後ろに下がる。
そんなに怒らなくてもいいのに…。