第13章 竜宮城編(原作沿い)
「乙姫は自分より美しい者を認めない。
己が唯一美しい存在であるがために、
この地球を老人しかいない星に…
老人の星に変えようとしているんだ。」
「……そんな……
そんな勝手な理由で、
そんな理由で世の中をこんなに
引っ掻き回していいと思ってるのか!
人の夏休み奪って
許されると思ってるのか!」
亀梨さんは反論する僕らに背を向ける。
「歴史とはいつもたった
一人の為政者の私事で動くのだ。
齢三千…あの方は長い時を生き過ぎた。
長い時の中で大切なものを
なくしてしまったのだ。
最早あの方の歴史に終止符を打つ以外に
あの方を止める術はない。」
「みんなを元に戻す方法は…姉上は………」
「恐らく全てはあそこに…乙姫の元に。」
乙姫がいるであろう目の前に
そびえ立つ竜宮城は
僕達を蔑む様に見下ろしていた。
「ここからは3班に分かれよう。
そのためには戦力も均等に分ける事が必要だ」
そう言って亀梨さんは亀の甲羅に
レンズがついた眼鏡のようなものをかける。
「なんですかそれは
どっかの漫画で見たことあるんスけど」
「スパウザーだ。
平たく言えば戦闘能力を計る計測器だ。」
「いやスカウターですよね?
平たく言えばスカウターですよね?」
「違う。スパウザーだ。
祭りの夜店のくじで当たった。」
「まがいもんじゃねーかよ!!」
僕のツッコミも軽く流され、
僕達は順番にスパウザーでの計測を
行う事になった。
「まずは君からだ。」
最初に指名されたのは僕。
亀梨さんが僕をレンズに写し、少しすると
ピピッと電信音が鳴った。
「362K…ほう、その若さにして
たいしたものだな。」
「なんですかKって…基準がよく
分からないんですけど。スゴイんですかそれ」
「要するに君はK362枚分の戦闘能力を
有するということだ。」
「なんで昆布!?昆布1枚に
なんの戦闘能力もねーよ!!」
「!?、ちょ、ちょっと待て…!」
僕がつっこむと、亀梨さんが
驚きの声を上げる。