第13章 竜宮城編(原作沿い)
(新八視点)
寝床班である僕、九兵衛さん、
澪さんは
さっき僕が一人で見つけた洞窟に
彼らを案内することにした。
「コレコレ、この洞窟なんて
使えないですか?
とりあえず雨露はしのげますよ。
…骸骨、ありますけど。」
二人にそう言うと、
澪さんは骸骨を無視して
嬉しそうにはしゃいでいた。
「うわー!!広い広い!!
これだったら銀時100人くらい
泊まれるよ!」
きゃあきゃあと観光地に来た女子のように
走り回る。
「いや銀さん100人もいたら
銀魂成り立たねーよ!
世の中銀髪だらけになるわ!!」
「いや、待て澪。
僕は彼奴になど心が動かされるわけではない。
ここはお妙ちゃん100人泊まれる場所に
訂正してくれないか。」
「どっちでもいいわ!!!」
九兵衛さんも澪さんも
ツッコミ所が多すぎて疲れてしまう。
正直桂さんと澪さんに会ってからの
ツッコミ具合が半端ない。
もうずっとツッコんでる。
こっちの体力も考えてくれ。
「……ん?」
「どうした?澪。」
「なんか、さっきの新八の声、
洞窟の中でぐわんぐわん
響いてた気がして………」
「ああ、洞窟だから響くかもしれませんね。」
「すげー!俺もやってみたい!!」
目をキラキラさせる澪は
まるで新しい玩具を見つけた少年のようだ。
そして、誰もやっていいと言っていないのに
勝手に思い切り息を吸っている。
やる気満々だ。
「やっほぉぉーーーー!!」
『やっほぉぉーーーー』
『やっほぉーー』
「おー!すごいすごい!
俺の声が帰ってきた!!」
やまびこのようにまるで自分の声が
何重にもなって聞こえる感覚が
ツボにはまったらしい。
澪さんは寝床の事も忘れ、
楽しんでいる。
もういいや、この人アホだし
放っておこう。
「…あーはいはい、良かったですね。」
「もっかいやってもいいか!?」
「はぁ…勝手にどうぞ。」
適当に返事をすると、澪さんが
後ろで息を吸う。
はぁー、もう何が起こっても無視だ無視。
僕が周りを物色し始めると、
九兵衛さんも周りを見始めた。