第13章 竜宮城編(原作沿い)
「びっくりした…俺、
死ぬかと思ったよ小太郎の馬鹿」
「馬鹿は貴様だ!死ぬ思いで
砂から抜け出した友人を
殴りつける者があるか!」
「それは…その、ごめん。」
「うむ。分かればいい。」
砂から出てきた昆布の妖怪は
小太郎だった。
小太郎が言うには気付いたら
砂に埋まっていたらしい。
助けを求めようと俺を呼んだが、
俺は全く気付かずに小太郎の体を
踏みまくっており、
必死に抜け出したところを
俺が小太郎を妖怪と間違え、
殴りつけてしまったというわけだ。
小太郎が仕方ないな、と俺を許すと、
周りをキョロキョロと見てため息をついた。
「どうやら遭難してしまったようだな。」
「うん…。さっき見渡したけど、
人一人見当たらない。」
何かを考える様子の小太郎を横目に
少しホッとする。
無人島に一人じゃなくて良かった…
小太郎がいるなら
なんとかなるかもしれない。
「とりあえず、俺服探しに行ってくるよ。
こんなスケスケ下着着てたら
助けが来た時絶対笑われるし。
小太郎は助けの方お願いね。」
その言葉を聞いて初めて小太郎と目が合う。
小太郎は上から下まで俺を見て、
「あぁ……そうしよう。」
と返事をした。
俺が小太郎に背を向けると、
小太郎がぼそりと呟いた。
「澪は黒のトランクス派………か。」
この直後、また小太郎の頬に
俺の拳が飛んだのは言うまでもない。
俺は海沿いから山に入り、
何か掘り出し物がないかと探し始めた。
「あ、これにしよう。」
俺は大きなそれを手に取り、体に当てる。
ぴったりだ!
俺はそれを体に結びつけて
小太郎の元へと戻った。