第13章 竜宮城編(原作沿い)
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「いや、俺達が向かうのは天竺だ。」
「へ?」
「そうだよな。桃太郎。」
小太郎の後ろに立っている少年に声をかける。
しかし少年は答えない。
まっすぐ前を見てるだけだ。
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「いや何も喋ってないよね?
返事してないよね?
っていうかついさっき
この会話聞いた気がする。」
「…む!澪、あれを見ろ!!」
「………はいはい。次はなに?」
「あの小さいボートだ!」
「……?
あれは……銀時だ!おーーい!」
遥か下の海の水面に
小さなボートがあり、そこに
銀時や新八、神楽が乗っているのが見える。
「銀時ィ!こんな所で会うとは奇遇だな!
俺はきびだんごをいただいた礼に
これから天竺に向かうところでな。」
「どんな昔話ィィイイイ!!!?」
「仕方ないなぁ
そこまで言うなら天竺でいいや。
服脱げるならどこでもいい。」
小太郎の横で立ち上がり銀時を見下ろす。
重たい十二単がばさりと舞った。
「てゆーか澪お前何その服!?
昔話間違ってるっ
つってんだろーがァァア!!」
「あーしまったなぁ
海に行くなら海賊にすればよかった」
「いやどっちも違うからァァア!!」
銀時のツッコミが俺の耳に届く前に、
爆発音と共に乗っていた亀がグラりと揺れた。
「撃てェェ!!
竜宮城へ行くのは長谷川さんだ!!
生きる希望を失くしたマダオに
光を与えてやるんだァ!!」
下から戦艦が俺達の亀に大砲を
打ち込んできているらしい。
亀も大砲を避けながら、戦艦に火を噴く。
「誰が竜宮城などいくかァァア!!
我等が目指すは天竺だ!」
「ねーよ!んなもん!!」
小太郎が戦艦に罵声を浴びせるものの、
亀の甲羅は立っていられないほど
大きく揺れ、俺は座り込んだ。
「うわっ!」
「澪、俺に掴まっていろ、
落ちるぞ!」