第2章 柳生編(原作沿い)
「ぎゃああああああ!!」
バッタバッタと薙ぎ倒れていく門下生。
何度か若と手合わせしたことはあったが
門下生ともなると、その威力は歴然だ。
もちろん、悪い意味で。
彼らの木刀を跳ね返し、思い切り突き飛ばす。
それを見て、逃げ出す者、
震えながらも木刀を構える者…様々だ。
「はぁ…。まぁ、刀振れるだけマシか。」
最後の門下生が倒れると同時に
新八が敏木斎様の皿を割る音が聞こえる。
決着がついた。
柳生家は、負けたのだ。
「って、ほとんど銀ちゃんに
手伝ってもらってるじゃねぇかァァァ!
調子に乗るなアルゥゥゥウ!」
万事屋の神楽が新八を殴り、
他のメンバーも駆けつけた。
戦も終いかと俺は奴等に背を向ける。
放ったらかしの四天王、
皿の破片が散らばった庭…やることは山積み。
「アンタ…結構やるじゃねぇですかィ。」
誰かが俺に向かって声をかける。
俺が半分振り返ると、
栗色の瞳が俺を見抜く。
あ、真選組の沖田総悟。
俺が理解して足を止めると、
沖田は続けた。
「俺ァアンタと勝負してみたくなりやした。」
「そんなに…強くない。」
手合わせしたい理由は、
若気の至りか、それとも好奇心か。
どちらにしても俺は彼には興味は無かった。