第11章 真選組動乱編(原作沿い)
ガッシャンという音がして、
何かがぶつかった音が聞こえる。
「…………!」
ドアから外を見ると、
オンボロのパトカーと先頭車両が見えた。
パトカーの上には近藤さんがいて、
良く見ると万事屋の旦那も見える。
その場に土方さんの姿はない。
「そういや…土方さん復活した?」
「…………さぁ。どうでしょう。
俺が最後に会った時は完全にオタクでしたが」
顔を拭いたことで視界が明るくなったらしい。
ある程度中身が復活したようすの
神崎が冷静に答えた。
「とりあえず、蹴破りますか?扉。 」
「頼むぜ。」
神崎は遠くから助走をつけ、
思い切り扉を蹴った。
「うらぁぁあああああっ!!」
バキッ、と音がして扉が外れ、
鬼兵隊の車両へと飛んでいく。
「…近藤さん、さっさとこっちに
移ってくだせェ。
ちぃと働きすぎちまった。
残業代、でますよねコレ。」
「あ…俺もお願いします。」
パトカーにいる近藤さんに声をかけると
下から自分を呼ぶ声がする。
「総悟!神崎!」
下を見るとパトカーと
列車の間に土方さんがいた。
神崎の言っていたのはオタクっ気は
跡形もなく無くなり、
土方さんはにやりと笑っていた。
「あ、澪、無事だったアルか!
心配したアル。」
パトカーからチャイナ娘が神崎を呼ぶ。
なんでィ、アンタら仲いいんですかィ。
「おー、無事無事。」
「何言ってんでィ。さっきまで薬盛られて
フラフラだったくせに。」
「もうほぼ完調したんで大丈夫です。
沖田隊長はここにいてください。
俺その辺の奴等始末してきます。」
「あ、顔真っ赤だ。恋か?」
また神崎は傷口が開いたようで
頭から血が吹き出て顔が真っ赤になる。
「え?何か言いました?」
だが、神崎はそれに
気付かないフリをして隣から来た
鬼兵隊の車両に飛び乗る。
「うぉら!てめ!薬盛っただろ!殺す!」
結局かなり鬱憤が溜まってるようで
俺の言葉も虚しく神崎は
車両に飛び乗り中の刺客を斬り倒しに
行くのだった。
「はぁ…馬鹿でさァ。」
…こっちの心配もしったこっちゃねぇってか。