第11章 真選組動乱編(原作沿い)
神崎は眠っているらしく
奴等に体を起こされても
顔は俯いたままだった。
だが、その体つきや髪は
間違いなく神崎で、
俺を認識させるには十分だった。
そして、奴等は神崎に
刀を突き立てた。
「神崎を人質に取るってか…」
「そういうことだ。」
先程罵声を発していた野郎がニヤリと笑う。
「神崎を死なせたくなきゃ、
刀を置いて手を上げるんだな。
…沖田一番隊長さんよ。」
そう言った時、神崎の体が一瞬
動いたのを俺は見逃さなかった。
「…そいつはやめとくぜ。」
「なん…だと!?」
「おい神崎、いつまで寝てんでィ。
職業怠慢でしょっぴきやすぜ。」
「馬鹿な…まだ薬の効果は切れていない。
奴は眠っているはずだ。
起きているわけが…………!」
そう敵が言い終わる前に鮮血が飛び、
奴等は言葉を失う。
「職業怠慢…?いつもサボってる沖田隊長に
言われたくないです。」
神崎の周りにいた敵は一瞬で倒れ、
神崎はフラフラと立ち上がった。
「最後の保険が………」
「まさか神崎が起きていたなんて………」
「こんなこと伊東さんに知られたら………」
奴等は予想外の事に冷や汗を流し
俺達に刀を向ける。
その手は少し震えていた。