第11章 真選組動乱編(原作沿い)
(銀時視点)
澪に頼まれ、ヘタレの
トッシーを乗せたおんぼろパトカーが
列車を追いかける中、
運転席に座る神楽が呟いた。
「澪、遅いネ。
もう1時間過ぎてるヨ」
確かにもう1時間はとっくに過ぎているが
澪は姿を現さない。
「……まさか澪さんも
何かに巻き込まれてるんじゃ…。」
新八がろくでもないことを言い、
トッシーがビクリと肩を揺らした。
「坂田氏…澪子氏は無事なのかい?」
「あったりめーだろ。澪は
そう簡単に死ぬ奴じゃねぇ。
たとえ何かに巻き込まれてても、
ソイツを巻き返して来るに決まってる。」
俺がバズーカを掲げながらそういうと、
トッシーは安堵の息を漏らす。
「良かったぁ〜澪子氏に
僕の財布と家の鍵を預けてあるのだよ〜。
しかも財布には今度買うプリキュアの
限定フィギュア引換券と
ToLOVEるの声優ライブのチケットを
入っているから心配になったでござる。
フゥ……一件落着で…ガハッ」
「お前澪さんのこと
なんだと思ってんだァァァ!」
後部座席の新八がトッシーに思い切り
鉄槌を下した所で一本の列車が見える。
「あれか………。」
迫り来る戦闘の予感に俺は身震いした。
(総悟視点)
列車内に残った伊東派どもを粛清していた時。
奴等が半分ほど減ったところで、
そろそろ相手も負けが目に見えてきたようだ。
何人かが後退りを始める。
「…………ッ、くそっ……こうなったら…。」
「いや、でも…
あれは保険だって伊東さんが…」
何か策があるようにも見えた。
「早くしねぇと斬っちまいやすぜ。」
俺が奴等を睨みつけると
「良いから持ってこい!」と罵声が飛び、
何人かが動き、列車の端へと行く。
「何するつもりでィ?」
「クククッ…これを見れば
気が変わるだろう。」
列車の端に置かれた大きな
トランクケースを奴等は引っ張り出してきた。
トランクケースは重いのか引き摺り、
一部の人間がケースのロックを解除する。
そこには、誰かが縛られた状態で
入っていた。
「……………神崎澪だ。」
「……………!」