第11章 真選組動乱編(原作沿い)
その言葉にある事を思い出す。
あれは、晋助に襲われかけた次の日………
ーーーーーーーー………………
『…………まぁそういう訳だから。
ヅラ、頼むぜ。』
『ヅラじゃない桂だ。
……その件については俺が引き受けよう。』
ーーーーーー……………
あの時の話の事……?
俺が黙る中、伊東さんは続けた。
「高杉がいくら刺客を送っても、
裏で桂の刺客が動き叩き斬られる。
君について情報を得ようも
白夜叉が脅し制限される。」
「高杉は手も足も出ない状況だったわけだ。」
「………まぁその一方である種、
死闘が繰り広げられる訳で
この間、桂が怪我をしたとの情報もある。」
…怪我!?
そんなの、俺…全然、聞いてない…!
俺のせいで、小太郎が怪我したり、
銀時に迷惑かけたりしてるってこと……?
そんな……………
俺だって、もう、子どもじゃないのに…………
「…随分動揺しているのを見ると、
やはり君は知らなかったようだね。」
「………………ッ」
バツが悪くなった俺は動揺を隠すように
お茶をひと口飲む。
「信じるか信じないかは君に任せよう。
…彼らを問いただせばすぐ分かることだが。
何か、質問はあるかい?」
伊東さんは見下すように俺を見た。
「…………………質問、一つだけ………。」
「なんだい?」
「…………伊東さんは…どうして
それを知っているんですか?」
晋助に言い寄られていたことや、
小太郎や銀時に邪魔されていたことなんて……
当事者しか………知り得ない情報だ。
「いい質問だね。」
伊東さんは笑いを堪えるように口を抑える。
…その直後、視界がぐにゃりと歪んだ。
「うっ…………」
頭痛と腹痛…それから平衡感覚を失う。
持っていた湯のみを落としてしまった。
もう何処に誰がいるかも分からず
俺は縁側に倒れ込んだ。
まさか、盛られた………?
「それは僕が…………」
「高杉から送られた刺客だからに
決まっているだろう?」
「くそっ…………、ぎん………と………………」
俺は体を起こすこともできず強烈な眠気に
襲われそのまま目を閉じた。