第11章 真選組動乱編(原作沿い)
屯所に戻って、局長に文句でも
言おうと思ったのだが、
局長は不在だった。
「やぁ神崎君。最近見なかったが
どこにいってたんだい?」
「…………伊東さん。」
その代わりに今一番会いたくない
人間に呼ばれてしまった。
「極秘任務ねぇ…。」
「はい。申し訳ありませんが
任務の内容はお伝え出来ません。」
「そうか。それなら仕方ないな……。」
「…………………。」
嘘だ。この目は俺の任務の事、知ってる…。
俺の頭が警鐘を打ち鳴らす中、
屯所の伊東さんの自室に通された俺は
伊東さんの隣に座りお茶を頂いていた。
俺みたいなペーペーと何故話そうと思ったかは
分からないがこれはチャンスかもしれない。
俺は奴の確信に迫る最後のチャンス…。
そんな気がした。
「……一つお聞きしたいことがあります。」
「…なんだい?」
「俺の…何を知っているのですか?」
奴の
『君は知らないんだね』
という言葉が頭の中をくるくる回る。
この人は俺の何かを知ってるんだ。
それも、攘夷志士に関わる何かを……
俺がそう言うと、伊東さんはにやりと笑った。
「いいよ…。教えてあげるよ。
君にはその権利がある。」
俺はゴクリと唾を飲んだ。
「以前、君は高杉に鬼兵隊に来いと
勧誘されていた…そうだね?」
「…………、は、い。」
「でも君はそれを断って、真選組に入った。」
「…………………。」
「…………それで、高杉は自分の事を諦めた。
…君はそう思っているだろう。」
急に晋助の話を振られ、言葉が詰まる。
伊東さんは俺の今の状況を全て言い当てていく。
本当に、何を言い出すつもりなのだろうか。
「…………はい。事実、
何の連絡もありませんから。」
「違うね。」
「えっ…」
「違うんだよ、神崎君」
喉の奥で笑う伊東さんに目を見開く。
「君は桂と白夜叉に
守られている。
だから高杉は手を出せないんだ。」
なんで…
なんでそこで小太郎と銀時が?