第11章 真選組動乱編(原作沿い)
ああ…数日前の自分を恨みたい。
局長の頼みを軽々しく受けてしまった自分を。
こんなことになるなんて…………
『今日集まってもらったのは
オタクを自称とする100人!
果たして彼らは何を思い生きるのか、
果たして彼らは何を思い内なる世界に
引きこもるのか…その素顔に迫る!』
「キュア澪子、その衣装、
同じプリキュアオタクに
作ってもらったでござる。
着心地はどう?」
「はぁ?………男なのにスカートだし、
パンツも女物だし………最悪ですけど。」
「うおおおーっその冷たい目!萌え〜!」
「……………………はぁ。」
本ッ当にやめればよかったー!!!!
ここはテレビ会社のスタジオで
確か番組名は『オタク討論』だったかな…。
どうでもいいけど。
副長はいつの間にかエントリーしたのか
小銭稼ぎで出演することになっていた。
一応俺はテレビ会社に身分を明かして、
潜入捜査という形でオタクではないが
入らせてもらったんだけど…………
『ああっとここで二次元派と
三次元派の間で乱闘が!!』
「クッ……行くでござるよ!
キュア澪子!!」
「いや…俺は良いっすわ…。攘夷志士とか…
いなさそうだし…てゆーか
キュアってなんすかキュアって…………」
「グウッ!53番!やるでござるな…!」
「聞いてないし……。」
正直言ってオタクしかいない。
皆トッシーという俺が適当に考えたあだ名に
騙されてるのかサングラスが
いい味出しているのか分からないが
誰もこのサングラスのアニオタトッシーが
真選組土方副長とは誰も気付いていない。
もし誰か気付いたとしたら
そいつは攘夷志士かもしれない…
あ、トッシーがド真ん中で
さっきの53番とやり合ってる。
「トッシーがんばれー。」
俺が乱闘を傍観していると
そのオタク番組は終わってしまったらしい。
しかしその乱闘は終わらない。
いつまで続くのかわからない
そのやり取りを見ていると
「えっ!??」
と大きな声がする。
「ひ、土方さん!!?」
その声に思わず一応帯刀していた刀を抜き
副長の元に急ぐ。
「ーーーッ、なんだ。新八か。」
彼の首元に刀を突きつけた所で
それが知り合いだということに気付いた。