第11章 真選組動乱編(原作沿い)
「キュアテンダー…………キュアテンダーで
ござる!!!」
「は?……きゅあ……?」
「まさに実写化不回避でござる!
こ、これは…運命でござるか!!?」
副長らしき人物に肩をガタガタと揺さぶられ
頭がクラクラする。
「ちょうどプリキュアを見ていた最中に
キュアテンダーが現れるとは偶然だろうか…否!偶然ではなく必然と言える!
これは神の恵みでござるぅぅ!!!」
「…はぁ……『否!』と言われましても。」
「それにしても彼は本当に髪が綺麗だ
黒髪ロングの姫カットのキャラクターも
似合いそうだ例えばキュアビューティとか
それからゴスロリ系も悪くないかもしれない
なんてったって中性的な顔だし…」
「…し、失礼しました………。」
考え込み始めてしまった副長を置いて
これ以上何かされないうちに部屋を出る。
なんだったんだ…今のは………。
あれから副長の部屋に入る時は
『ござる』と言われた時以外に
部屋に入るようにしているのだが、
俺が感じた謎の行動は色んなところで
目撃されているようだ。
「…………ってなわけでさ、
副長ToLOVEる好きなんだって。」
「あー俺もいたけどびっくりしました。」
「副長がToLOVEるって…。」
「そうなんですか…。」
退と一緒に歩いていたら
伊東さんと同門の篠原さん達に会い、
立ち話で副長の事を色々教えてくれた。
俺は相変わらず距離を置かれているからか
退以外の人と世間話したこと無かったから
少し新鮮だ。
…ただ、ものすごく
下等な話題ばっかりでつまらなかった。
上司だから聞くけど、
部下だったら無視してるくらいに。
みんな副長の事馬鹿にしてるんだな…。
「その点さー、伊東さんはさぁ………」
副長を思い切り下げた後には
伊東さん褒めましょうの会が始まった。
俺、あの人苦手なんだけどなぁ…。
「ね?澪君もそう思うっしょ?」
「あー…俺、誰が良いかとか
よく分かりません……。」
退はまだこの話を聞くつもりらしいが
俺は限界だ。