第17章 始まる夏の奏鳴曲
多少心配されてた期末テストが終わり、ジメジメした梅雨も明け本格的な暑さがやってきた今日この頃。青い空は雲一つ無い晴天。
7月も半ばに差し掛かる日曜日。関東大会開幕ー…
彼等の…皆の熱い夏が始まる。
※※※
一同「棄権?」
『うん…どうやら食中毒?みたいで…』
アタシ達、立海大附属中学校の初戦の相手は銀華中。だけど一体何を口にしたのか選手全員が食中毒で棄権となり立ち上がりは不戦勝となんとも微妙なスタートを切った。
「では他の試合の見学でもするか」
「そうだな…次の試合で当たる相手や気になる学校の」
「各々自由に見学でいんじゃね?」
「そうですね。その方が色んな学校の情報が手に入りますし」
自由か…個人的に一番気になるのは…応援したいのは氷帝学園なんだけど…マネージャーとしてはやっぱり次の対戦校になるであろう、名土刈と香澄第四の試合を見とくべきか。
「姫さんはどうするんじゃ?」
『アタシ?は…えっと………名土刈と香澄第四の試合を偵察する』
「では私もご一緒しましょう。お一人では大変でしょうから」
『柳生君有難う。あ、でもその前に挨拶…行ってもいいかな?』
一同「挨拶?」
『えと………やっぱり氷帝は応援したいって言うか…』
感じ悪いかも知れないけど一応、元居た学校だし…それなりに頑張って来た皆を知ってるから少しくらいは。
「うむ、そうだな!挨拶くらいはした方がいいだろう」
『!』
「でもでもっ!俺達の事を一番に応援して下さいっ!」
『それは勿論だよ!皆有難う!』
※※※
『実亞加っ!』
『智桜姫ーっ!』
-ぎゅーっ-
『会いたかったー!』
『もう、苦しいってば』
試合が始まる前の緊張感を壊さないように控えめに実亞加を呼んだつもりだったけど結局ぶち壊すくらいのテンションと雰囲気になってしまった。
「うっわー!姫ちゃん久し振りだC~」
「姫さん相変わらず小さくて可愛いです!」
「元気にしてたかよ?」
『うわ、ちょ!皆、智桜姫に近付かないでよ!』
皆変わってないなーって三ヶ月そこそこじゃ変わらないか。体調も良さそうだし元気そうで良かった。