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君色Days【庭球王子】

第16章 飛び交う交声曲


まだ梅雨明けしない6月も末に差し掛かりテスト期間に突入する。それぞれの部活動は休止になり勉強に勤しむ為のテスト期間なハズなのだが。



「だぁぁあああ!くそ負けたぁ…」

「姫…ゲームなんか出来たのかよぃ」

『ふふーん、まぁね』



健全な中学生たるもの、こーゆー遊びも必要なのである。場所は駅前のゲームセンター。丸井君、桑原君、アタシは切原君が得意と言う格闘ゲームに付き合う。この後切原君は真田君と柳生君に勉強を教えてもらう予定だから、しんどくなる前の息抜きって訳。



「姫先輩と丸井先輩強すぎっすよー…」

「ジャッカルは弱いけどな!」

「悪いかよ…」

『おっと…そろそろ時間ね』

一同「?」

『切原君、お勉強しなきゃ』

「んげー!そうだった…」



がっくりと肩を落とす切原君は渋々椅子から立ち上がって鞄を肩にかける。因みに明日はアタシと柳君が担当。



『アタシは今から幸村君の病院に行くけど…二人はどうする?』

「あ、じゃあ俺等も…「いや!俺達は遠慮する!」…ジャッカル?」

『…そう?』

「あぁ…幸村によろしく言っといてくれ」

『………?うん分かった。伝えとく』



丸井君は行きたがってたきがするんだけど…まぁいっか。



「おい、ジャッカル!」

「馬鹿野郎、少しは幸村に気ぃ使えよ」

「?」





※※※





「断られた?」

『うん。何か用事でもあったのかな?』



申し訳なさそうな表情をする智桜姫はベットの横にある椅子に腰掛けて鞄からプリントを取り出す。
今日からテスト期間に入り部活は休み。赤也は赤点回避の為に今日は真田と柳生から勉強を見てもらうらしいが、モチベーションアップの為に少しだけゲームセンターで格闘ゲームを付き合ったらしい。別れる際、丸井とジャッカルを誘ったみたいだが少し慌てた様子でジャッカルが断りを入れたみたいだ。



『悪い事しちゃったかな?』

「そんな事無いよ。きっと気を使ったんじゃないかな」

『気?』



多分、俺に。



「ほら…煩くならない様に、とかね」

『あー成程。桑原君って気ぃ使いだもんね』



納得したのか安心した様に微笑むと今日の授業内容を纏めたであろうルーズリーフを机の棚に置いてあったファイルに挟む。



「あ。そうだ智桜姫」
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