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君色Days【庭球王子】

第13章 心の夢想曲


『病気かしら…』

「ねぇね、びょーき?」

『いや、違うよ』



至って健康優良児。ただちょっと自分の事が分からなくなっただけ。



「お姉ちゃんが悩み事なんて珍しいね」

『愛美ー…アンタはお姉ちゃんを何だと思ってるの』

「サイボーグ」

『………』



次女酷い。



「告白でもされた?」

『ナイナイ有り得ない』

「好きな人でも出来た?」

『馬鹿な事言わな………』

「?」



次女の言葉に幸村君の顔が思い浮かぶ。



『いやいやいや、何考えてるのアタシ』

「お姉ちゃん?」

『もー!変な事言わないでよ』

「いひゃひゃひゃひゃ」



次女のほっぺたを軽く抓って自分のほっぺたを叩く。



『しっかりして、アタシ』





※※※





ここ数日。姫の様子がおかしい。
今日も何か考え事をしてるのか上の空で姫のクラスの前を通る度に1mmも動いてないんじゃないかってくらい同じポーズをキープしてる。



「姫、元気ねぇな」

「ちとばかし元気づけに行くかの」



昼休み開始のチャイムが鳴ったと同時に姫の教室に向おうとすると既に先を越される。



「あれは…野球部の茂木」

「何して…あ!二人で教室出て行く!」



仁王と顔を見合わせて尾行を決心する。途中でどんどん仲間は増え…最終的にはレギュラー陣皆で尾行。辿り着いた先は人気の無い校舎裏。



「盗み聞きは良くないのでは?」

「柳生先輩静かに」



-ガッ-



一同「!?」



茂木がその細い肩に掴みかかる。



「僕とお付き合いして下さァい!!!」

『あー…御免なさい。そうゆうの興味無いの』

「え!?な…」



案の定の告白を華麗に一刀両断。確かにあんな感じで一刀両断されたら堪えるよなぁ…



「好きな人でも?」

『居ない』

「気なる人も?」

『………居ない。生憎…そんな感情が分からないの』



苦しそうに吐き出された言葉は確信付いてる気がした。




















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