第12章 隠れた受難曲
『………』
一同「………」
県大会が終わって数週間。中間テストが始まって、そして今日は結果発表の日。テニス部のR陣とアタシは職員室に貼り出された順位表を真顔で眺める。
「うわー…姫と真田と柳と柳生…接戦だな」
「成績優秀トップ4…」
『今回アタシは4位か…』
サボってる時間に足元救われてしまったな。英語だけが80点…こんな点数久し振りに取ったし、こりゃ叔母に見せたら殺されるな、うん。そもそもな?英語苦手なアタシが80点以上取るなんてホント凄い事なのよ?ココ最近は98点以下取ってなかったけど。
「いや、4位で落ち込む意味が分からんぜよ。その前にちょいちょいサボってて4位は頭オカシイぞ?」
「ふむ…3年は赤点免れてるな。赤也!貴様はどうだ?」
「えっ!?あー…えーっとですね…その…」
「どれ、見せてみんしゃい」
「ちょ!仁王先輩!!」
あー…英語23点、数学28点…思い切っり赤点からの追試だ。分かる、分かるよ切原君。アタシも一時期、英語赤点連発した事ある。でもそんな事口に出さないけど。
「赤也…貴様!!!たるんどる!!!」
「ひぃ!?姫先輩助けて下さい~!!」
※※※
『えー…では明日の追試に向けて切原君の勉強強化トレーニングを行いたいと思います』
昼休み。皆で部室に集まって赤也の追試対策のミーティングを行う。智桜姫はホワイトボードにさらさらと綺麗な字で追試の範囲であろう内容を書く。
『切原君の答案用紙、問題用紙を見て…恐らくここら辺は確実に出るハズ』
「姫先輩そんな事まで分かるんすか!?」
『いや、勘。自慢じゃないけど勘は結構当たる』
俺が見た感じでもデータ的に穴場だと思われる。
『問題は教える人。関東大会の出場も決まってるし今日から部活再開だから皆…特にR陣は時間を割く暇も無い』
3年「うんうん」
「ちょ…先輩達薄情っすよ!?可愛い後輩の為にですね…」
『こーゆー時、いつも誰が教えてるの?』
「だいたい苦手科目のない真田、柳、柳生…幸村君がいる時は幸村君も教えてたな」
丸井の返答に智桜姫は顎に手を当てて考え込む。
『うーん…となるとやっぱりアタシが適任か』
「よっしゃ!」