第7章 繋がりの装飾曲
『うわーもう何回目か分からない公共告白を華麗にスルーされてやんの!』
「マネージャーうっさいわ!」
うん、アタシが居なくても大丈夫そう。
『今年は』
一同「?」
『絶対に全国行きなさいよ!………応援、してるから』
一同「………(じーん」
『お…応援も…行けたら行く、つもりだし』
一同「………(じーん」
『実亞加』
『ん』
『浮気は許さないから』
『勿論!智桜姫一筋だよ!』
別に親しくするつもりなんて無かった。でも結局、実亞加絡みで関わる事は多くて。鬱陶しく思う事はあったけど皆と仲良くなれて良かった。
※※※
そして季節は移り変わる。
薄紅色の桜が舞う今日この頃。アタシは真新しい制服に身を包み新しい門出への1歩を踏み出す。
「ねぇ聞いた?ウチ等3年に転校生来るらしいんだけど」
「あぁ、聞いた聞いた!編入試験、満点だったんだって」
「うわ、すげぇー…」
「それだけじゃないよ」
「何何?」
「ウチのテニス部と既に仲がいいんだって」
「嘘ぉー!って事は女の子?」
「多分」
※※※
「すっげ、姫の噂で持ち切りじゃん」
「優等生に加え、俺達テニス部と仲がいいとなるとな………やっかみ買わなきゃいいんじゃが」
「恐らくその様なタイプでは無いだろう」
「そうなのか?」
「あぁ…そうだろう?弦一郎」
「そうだな。俺の記憶が正しければ、だが」
一同「?」
※※※
この時のアタシは知らなかった。
此処で過ごす1年がとても色濃く鮮やかで、切なくも甘い青春の1ページになる事を。
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