第3章 悪夢の挽歌
-バタバタ-
顔が青い。手も冷たい。
「幸村…大丈夫なのか?」
『アタシに分かる訳ないでしょ。医者じゃないんだから』
一同「………」
※※※
それから直ぐ救急車は来た。何故かご一緒されますか?って聞かれたけど、通りすがりの部外者だから遠慮しておいた。
そう言えばコート持って行かれちゃったな…まぁいいか。
『…帰ろ』
自宅までの帰路がとても長く感じた。近くにある大きな病院の目の前を通った時に何処の病院に搬送されるのかちゃんと聞いとけば良かった。まぁ聞いたところでお見舞いになんか行っても迷惑かもしれないけど。そもそも大丈夫かどうか…
-ふるふる-
よくテレビで誰かが亡くなったなんて良く聞く話じゃない。でも………でもどうしてこんなにも気になるのだろうか?
『救急車で人が運ばれるところ…初めて見たから、かな』
こんなにも簡単に人は倒れてしまう。
「おねえちゃん?どーしたの?」
『ううん、なんでも。ごめんね、直ぐご飯作るから』
「だいじょーぶ?」
「ねぇね、げんきない」
『大丈夫!今日は簡単なモノでいいかな?お母さんは?』
下の子の保育園の迎え行けたハズだから家に居るハズなのに。ってゆーかご飯作ってくれててもいいのに。
「どっか行った。ご飯いらないって」
『またか…』
妹達に気付かれない様に小さく溜息を吐いて部屋の前に鞄を投げ置いて制服のままエプロンを着ける。
『んげ、何もないじゃん。生活費も置いてってくれてないし』
取り敢えず連絡入れてみて…間に合わなかったらヘソクリ崩すか。
『今日はチャーハン、明日の朝はフレンチトーストね』
卵は沢山あるからこれくらいなら何とかなる。あ、でも明日のアタシの弁当が無い………
『………はぁ』
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