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恋愛パレンティーア[ハイキュー!!]

第4章 春の訪れ


「いや…。今年、すげー一年が入ってきたんですよ。中学の頃から有名な選手だったんですけど、ちょうどポジションが同じなんです。」


私はそこまで聞いて彼の心の内で何を考えているのか少しわかった。私がマネージャーだった頃、部では才能のある人がたくさんいた一方、努力しても努力してもそれには勝てない選手がたくさんいた。


私自身は選手ではないので、そんなことを体験したことはないけれど、一人体育館の裏で悔し涙を流していた選手や、過剰に練習したためか体を壊し未練を残しながら去った選手を見たこともある。


そんな話はバレーだけではない。仕事だってなんだってやはり才能のある人と普通の人ではやはり差が出てくる。私は仕事や勉強ではそういった体験はあった。


「うーん、部活ではさすがにマネージャーだったからないけど、仕事とか勉強とかではやっぱりそういうのはありましたね。」


私はなんて言おうか悩みながらブランコを揺らす。


「でもね、私はそれでも彼女にはここは負けるかもしれないけど、ここでは勝てる!とか思いながらやってましたよ。すごい人だって苦手なことはあります。」


彼は別に絶対的な才能をもつ人と会ったことがあるか、という質問だったのでアドバイスは求めてないのだろう。複雑そうな表情をしながらも何かをまっすぐ見つめるようなそんな強い眼差しだった。


「やっぱりその人が持ってないところで負けないことが大事ですよね。」



そして何か確信を深めたようだ。彼の力になれたのなら良かった。と私は少なからずほっとした。

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